1.はじめに
自己実現や夢の実現、また安定的な収入を求めるために、独立開業を考える方も多いでしょう。その中で選択肢の一つとして注目されるのが「フランチャイズ開業」です。フランチャイズ開業には、企業が築き上げたブランド力やノウハウを利用し、事業成功の可能性を高めるメリットがあります。しかし、一方で成功への道程は必ずしも平易ではありません。本記事では、そんなフランチャイズ開業のメリットとデメリットを紐解きつつ、成功するためのポイントを明らかにします。これからフランチャイズ開業を考えている方、すでに開業しているが更なるステップアップを目指す方へ、有益な情報を提供します。
2.フランチャイズ開業とは
(1)フランチャイズとは
フランチャイズとは、既に成功しているビジネスモデルを個人や法人が利用し、事業を展開するシステムです。大手企業の商標やブランド、経営ノウハウを利用することで、自分一人でビジネスを立ち上げるよりもリスクを抑えた事業展開が可能となります。
(2)フランチャイズ開業の流れ
フランチャイズ開業の流れは以下のようになります。
自己分析:自分が何を目指し、何が得意で、何が好きかを明確にします。自分の興味・関心、得意なこと、経験・スキルをリストアップしましょう。それらがフランチャイズビジネスとマッチしているかを検討することが一番のスタートラインとなります。
これにより、自分がどのようなビジネスに向いているかを見つけることができます。
フランチャイズチェーンの選定
自分が開業したいビジネス・業種について調査し、フランチャイズチェーンを選びます。選定基準には成長性、安定性、投資コスト、本部のサポート体制などがあります。
情報収集
選んだフランチャイズチェーンの具体的な情報を収集します。各チェーンの説明会に参加する、資料を請求する、他のフランチャイズオーナーに話を聞く等して、詳細なビジネスモデルや契約内容を理解します。
FDD(フランチャイズ開示文書)の確認
契約前にフランチャイザーから渡されるFDDを確認します。これには契約内容や収益モデル、リスクなど詳細な情報が記されています。
契約
フランチャイズ契約を結びます。この段階で初期費用を支払うことになります。
研修
フランチャイザーから提供される研修を受けます。ビジネスモデルや製品知識、運営手法などを学びます。
店舗選定・設備導入
適切な店舗の場所を選び、内装や設備を整えます。
開業
開業準備が整ったらいよいよ開業です。初期の顧客獲得に努め、継続的な経営を行っていきます。
運営・評価
開業後、日々の運営を行いつつ、自身の経営状況を評価し、改善を行っていきます。
この一連の流れを踏まえて、具体的な準備と実行を進めていきましょう。
3.フランチャイズ開業のメリット
フランチャイズ開業には多くのメリットが存在します。
(1)成功ノウハウの利用
フランチャイズ本部が試行錯誤を繰り返して培った成功のノウハウを受け継ぐことができます。これにより、初めての開業でも安心して事業を始めることが可能です。
(2)ブランド力の活用
既に市場で認知度のあるブランドを利用できます。これにより、短期間での集客や信頼性の獲得が見込めます。
(3)品質・サービス保証
一定の品質とサービスが保証されるため、顧客からの信頼が得やすくなります。また、広告・宣伝活動を本部が一手に引き受けてくれるため、集客に有利です。
4.フランチャイズ開業のデメリット
フランチャイズ開業には、ビジネス成功の可能性を高める一方で、いくつかのデメリットも伴います。
(1)ロイヤルティや初期費用の負担
フランチャイズとして開業する場合、加盟金や初期設備費用、さらには定期的なロイヤルティ(利益の一部)を本部に支払う必要があります。
ロイヤリティには3種類の算出方法があります。ロイヤリティには「定額制」「売上歩合方式」「粗利分配方式」の3種類あり、フランチャイズ企業によって採用している算出方式が異なります。ここでは、それぞれの算出方法の違いについて見ていきましょう。
定額方式
定額方式は、売上金額にかかわらず契約時に決められた一定の金額を、毎月本部に納める方式です。ロイヤリティ以上の売上を上げれば、そこからは経営努力によって利益を増やすことが可能になります。
また毎月定額のため、収支予測が立てやすい点もメリットといえるでしょう。ただし、加盟店の売上が低くても定額の支払いは発生するため、場合によってはロイヤリティが経営を圧迫するリスクがあることも知っておかなくてはいけません。
売上歩合方式
売上歩合方式は、加盟店の売上高から本部が定めた一定比率の金額を支払う方式です。フランチャイズ経営でも多く採用されており、ほとんどの本部では売上高の数%~十数%の比率で設定されています。
加盟店の売上が上がるほどロイヤリティの金額も高くなり、売上高が低くなれば支払うロイヤリティも少なくて済むので負担は軽減されます。しかし売上高が同じであっても売上原価がかかってしまった場合は、負担が大きくなるので注意しなくてはいけません。また売上金額でロイヤリティが変動するため、計画的な資金運用も重要といえるでしょう。
粗利分配方式
粗利分配方式は、粗利益から本部が設定した一定金額をロイヤリティとして支払うものです。粗利益は、売上高から売上原価を差し引くことで計算でき、売上総利益ともいわれます。
フランチャイズでは、おもにコンビニエンスストアがこの粗利分配方式を採用しています。粗利の金額によって比率が変動する本部が多く、30~70%前後で設定されているケースがほとんどです。
(2)本部の方針に従う制約
自由な経営が難しく、本部の指示に従うことが求められるため、独自のアイデアを反映させるのが難しい場合があります。
(3)地域や競合他店との兼ね合い
地域や競合他店との兼ね合いも慎重に考える必要があります。同じフランチャイズ店が近くに多すぎると、ビジネスがうまく行かない可能性もあります。
5.成功するフランチャイズ開業のためには
成功に向けたフランチャイズ開業のポイントは以下の4つです。
(1)自分に合ったフランチャイズ選び
自身の価値観や経験、経済的背景に合ったフランチャイズを選ぶことが肝要です。多種多様な業種・業態の中から、自己のスキルや興味が活かせるものを選びましょう。
(2)事業計画の立案と財務計画の整備
開業初期の出費や運転資金、売上予測などを含めた財務計画が必要です。リスクを最小限に抑えるためにも、しっかりと計画を立てることが大切です。
(3)法律や契約内容の理解
フランチャイズ契約は法的な要素を多く含んでいるため、法律の知識が重要となります。契約内容を把握し、専門家に相談することも視野に入れましょう。
(4)本部とのコミュニケーション
フランチャイジーと本部との良好な関係は、事業を円滑に進めるために欠かせません。積極的に意見交換を行い、信頼関係を築きましょう。
6.まとめ
フランチャイズ開業は、既存の成功ノウハウやブランド力を活用して事業を展開する有益な方法です。しかし、ロイヤルティや初期費用の負担、本部の方針への制約など、様々なデメリットも存在します。これらを理解し、自分に合ったフランチャイズの選び方、事業計画の立案、法律や契約内容についての知識、そして本部との良好なコミュニケーションが重要です。フランチャイズ開業は成功も失敗もあるため、よく理解した上で挑戦することが望ましいです。この記事を参考に、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
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